これまでどんな形で多読を進めてきたか触れてみます。読んだ本の種類や内容とその時の感想を振り返ります。英語多読の課題である本の入手方法にも触れています。
多読の存在を知る
気分転換に海沿いの図書館に行って、海を見ながら何か本を読もうかと訪れた図書館で多読の存在を知りました。英語関連の本を見ていると多読に関する本を発見して、今までの文法メインとする学習法とは違うことに興味を持ちました。そこに書かれていたやり方は幼児や児童向けの簡単な英語で書かれた絵本を読むことから始めるといったことでした。
早速児童書コーナーで英語の絵本を探したら、ありました。日本語で絵本があるように英語でもあるんですね。1冊を手に取り読んでみます。10ページとかそのくらいの分量でしたが、ストーリーもあるし子供に呼びかけるような口語で進んだり変化が面白く感じられました。数分もかからず読めてしまうので児童書コーナーにある絵本を次々と読んでいきます。
こうして多読初期の進め方の王道、絵本で開始することになりました。
累積3万語まで
この海沿いの図書館で読んだ語数はカウントしていなかったのですが、100万語目指すとよいというようなことも書かれていたので、その後文字数の記録を始めました。
こんな形でメモを取っています。語数や後で説明するYLは正確ではないと思います。この表合計で約3万語です。
多読は英文を順番に読んでいって、日本語に訳すことを考えないで英語のまま理解していく読み方です。文末から逆に振り返って訳すような読み方はしません。和訳ぐせの排除ができないと余計疲れます。なので一目で意味が分かるような簡単な英文から始めます。
YLは読みやすさレベルの略で、英語多読研究会が提唱する日本人にとってその英語の本がどれくらい読みやすいかを示す指標です。YL0.0~YL9.9の数値で表され、YL0は簡単、YL9になるほど難しいということです。日本人にとってというのがポイントで、英文の語彙や文法、長さのみならず歴史背景や文化背景がわかっていないと理解できない本は日本人にとって難しいということになります。なので主観的な指標とも言えます。とはいえYLごとにランク付けされたリストを作成してくれているので多読者の道しるべになるため大変助かります。
多読初期に困るのが本をどうやって見つけるかです。絵本を読むのがいいというのがわかったものの、それを何十冊も買うのも負担が大きいです。Kindleで無料の本を探して読みました。上の表もそうだったと思います。しかしすぐ読み終わるので次の本をどう見つけるかは常に悩みでした。
私の場合多読のきっかけは図書館で知りました。となればまた図書館にヒントはないかと探します。
ありました。
ここ数年多読というのが浸透してきているようで、図書館には多読コーナーを設けている場合があります。オンラインで周辺地域の図書を横断して検索できるシステムもあるかもしれません。検索時に図書分類837.7で探してみると英語読本とかリーダーという分類で英語多読に適した本が見つかると思います。大学図書館や高専図書館にも置いてあるかもしれませんので、ここも狙い目です。難易度が調整されたGraded Readers(GR) と呼ばれる種類のOxford bookwormsなどが大量に置いてあったりします。
累積20万語まで
図書館で多読本が読めることがわかったので、読む本が見つからない悩みはなくなりました。学習者向けのGRは絵本と違ってまとまった語数の本ですので、累積語数を簡単に稼げます。本当はもっと絵本をたくさん読むとよかったのですが早々にGRに移行しました。
なんとうすっぺらい感想文か ということは触れずに行きましょう。本当に英文を理解しているのかも怪しいですね。日本語の多読も必要かもしれません。
このころは1冊の語数が多くてしかし読みやすいMacmillan Readersが好きでした。逆にPenguin readersは何となく苦手で、題材によっては非常に読みにくかった覚えがあります。英語力の問題かもしれませんが、努力で読み切ろうなんてことはやめて、ストレスを感じたらその本はすぐに読むのを中止してほかの楽しく読める本に移っていきます。ここでは映画でも有名なE.T.ですね。多読本の中には映画や自叙伝をもとにして、学習者向けに平易な語彙に書き直したものがあります。元のストーリを分かっていれば読みやすいですが、そうでもなかったのでしょう。YL2の壁なんていうのもあるので、見事に跳ね返されているのかもしれません。
wpmのメモもあります。80を下回る場合、もっと簡単な本を選びなおすとよいといわれます。もちろん本人が楽しめていればよいですが、読むスピードが遅い場合は没入感が低いため和訳していたり、雑念が入る余地で集中できていないかもしれません。多読はそこそこのスピードとテンポを維持してどんどん英文のまま読める時が気持ちいいと思います。
英語の絵本としてお勧めされるのがOxford reading treeです。イギリスの国語の教科書だそうです。絵の力と楽しい物語で引き込まれて、シリーズものなので次が読みたくなります。ちょうど図書館にありましたので、stage別難易度となって置いてあった全巻を読むことにしました。Graded Readers(GR)に対してこちらはネイティブ向けでLeveled Readers(LR)という種別になっています。日本人学習者が触れてこなかった語彙でも、ネイティブの子供たちが日常で使う表現として出てくるのできっと新しい発見があります。
20万語時点の感想
ちょうど20万語読んだときに全体的な感想を次のように残していました。
「読むのは慣れてきた。大体は面白く感じるため、早く読みたくなる。読書の体力も始めたころよりは付いてきた。英語力としてはYL2以下がちょうどよく、1センテンスを1回で確実に読めるかというと、これはまだできない。」
まず英語の本以前に読書力というか、本を読む習慣があるかどうかで継続する困難さが変わってくると思います。私は残念ながら読書習慣がありませんでしたので、まず本を読む体力が必要でした。この読書体力も細々と継続していればだんだんついてくるかもしれません。
同時にTOEICを受けていました。その感想も簡単ですが残していました。
「リスニングには効果を感じない。リーディングは長文問題を長文とはあまり感じない。ただ、後半の問題ではわからない単語は多く、意味はつかめない。前半の長文問題は読みやすい。20万語程度でも効果があると感じる。」
こちらの記事(多読時間とTOEICスコアアップ)のように自分比で最も多読効果が高かったのが20万語の時でした。(ん?)
後半ほど難しく感じるのは実際にそうなのでしょう。文のかたまりのなかで不明な語彙は推測で乗り切るか無視するのが多読流ですが、不明な語彙が多くなってくると補完できなくなってきます。
多読をしていればYL2程度から1万語を超える長さを読むのですから、試験問題の長文というのはもはや長文に感じなくなってきます。なのでもしTOEICの長文に苦手意識があるという場合は多読で慣れてみるというのもいいかもしれません。
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